AM放送がなくなる

2021年6月26日

かねてから言われていたAM放送の終了の話が、いよいよ本格的に動き出すようです。

民放AMラジオ44局、2028年秋めどに“FM局”目指す
 「ワイドFM(FM補完放送)対応端末普及を目指す連絡会」幹事局が15日、リモートで記者会見を行い、日本全国の民放AMラジオ47局のうち、44局が2028年秋までにFM局となることを目指すと発表した。

引用元 https://www.oricon.co.jp/news/2196726/full/

ラジオをやめるという話ではなくて、FM局に移行するということです。

理由は経営的な話。AMラジオ局って、中波ですのでアンテナが巨大になり広大な土地が必要です。また、大電力で放送しますから、送信機などの設備も大掛かり。それらを維持するとなると莫大な費用がかかります。

一方で収入は主に広告費。ラジオの聴取者はいるのでしょうが、広告が集まらないのでしょう。インターネット広告の台頭も背景と大きいかと思います。収入が減っているのであれば、支出を抑えざるを得ません。

FM放送の場合は超短波を使いますからアンテナは小型で済みます。現在、在京のFM補完放送を行っている局は東京スカイツリーにアンテナを設置しています。FM放送数社、TVもたくさんあります。共同で一つの設備を使えますから、一社で広大な土地と設備を保有・維持しなければならないAM放送に比べてコストが抑えられます。こうしたことがAM局がFMに移行したい背景なのでしょう。

しかしながら、超短波ですと到達できる範囲(サービスエリア)が狭くなります。山陰などには届かなくなりますし。AM放送と同じ範囲で受信できるようにするためにはたくさんの中継局が必要になるでしょう。ここはデメリットですが、それを勘案してもFM化が得策との判断になったのだと思います。

しかし、このサービスエリアの狭さは問題です。それを補うためにはたくさんの中継局というのが、北海道では現実的ではないともいます。そのため、今回の話しには北海道の局は参加していないのでしょうね。

なお、中波AM局が完全になくなるわけではありません。NHKは法律によって中波での放送が義務付けられていますから。しかし、現在の第一と第二の体制は止めて一つにするそうです。これは残念な話です。

雑記